ストレスをためないことはうつ病を予防する有効な手段ですが、生活環境の変化やそのほかの原因でも生じるため、完全に防ぐのは難しい節もあります。さらに現在では過去に類を見ない新種のうつ病も確認されており、うつ自体も広がりを見せているのです。これまで知られていた従来型は、ひと度気分がげんなりとなった場合、その状態が2週間以上続くため、他人から見てもうつ病と分かることがありました。気分がふさぎ込んだまま2週間経過しても治らない場合は、精神科や心療内科で診断を受けた方が良い、と言われるのはそのためです。ところが新型は嫌なことを行う時だけ発病し、好きなことをする時は普通に楽しさを感じられるようになっています。楽しむ気持ちや喜ぶ感情を失くしている従来型に対し、新型はその感情を持った状態でうつ病になるのが大きな違いです。正常な時は健常者とあまり変わらないため、新型に掛かった人は、周囲から自分勝手な人間と思われやすくなっています。ただし本当にワガママなのか、それともうつ病なのかは素人では判断できませんので、病院で診断を受けなければなりません。また、従来型はうつであることを否定、もしくは隠すのが特徴でしたが、新型ではそこに拘りは見せず、それどころか自らうつを名乗り出る場合が多くなっています。さらに新種のうつ病に掛かりやすい人は、協調性がなかったり、自分には非がなく悪いのは他人、といった性格の方が占めているのも特徴です。従来型になりやすい人は責任感が強過ぎたり几帳面な人ですから、それと比較しますと、発症しやすい人物像がまるで違うことが分かります。そして、新型は20代から30代半ばなど、主に若い方を中心に掛かっているのも固有の特色です。しかもディスチミア親和型や逃避型、それに非定型など、単に新種と呼びましても、その中では数々の種類に分かれています。実際にどのタイプなのかも、専門医の診断にゆだねなければ正確には分かりませんので、先ずは病院へ行くことが不可欠です。新型でありましても辛さとやるせなさは従来型と変わらないため、診断を経て、適切な治療を受けましょう。